「グラン・トリノ」の日本語吹き替え版イーストウッド=滝田裕介は、正解でしょうか・・・? [外国映画・吹き替え映画の感想文]
孤高の騎士クリント・イーストウッド (映画作家が自身を語る)
- 作者: マイケル・ヘンリー・ウィルソン
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2008/06/30
- メディア: 単行本
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今のところ、本年度の私の外国映画ベストスリーに入る「グラン・トリノ」です。 DVDのレンタル、発売も始まりました。
吹き替え版では、イーストウッドの声を滝田裕介さんがアテていらっしゃいます。
その吹き替え自体は、完成度が高く、
アニメ声の吹き替えが多くなった現状では貴重です。
滝田裕介さんは、
「ジョーズ」の日本テレビ初放送版でロイ・シャイダーをアテられて、
これがズバリ正解でした。
何より、同作の主要キャストロバート・ショーが北村和夫、リチャード・ドレイファスが樋浦勉と
いう舞台俳優そろい踏みの、吹き替えは、日本の吹き替え映画の中でも
きわめて完成度が高い物です。
「ジョーズ」に関する限りでは、羽佐間道夫さんより、滝田さんのほうが、
あの映画のロイ・シャイダーの雰囲気をつかんでいます。
で、「グラン・トリノ」ですが、最初に述べたように素晴らしい吹き替えではありますが・・・
もう一歩踏み込んで考察すると、本作は俳優イーストウッドの、引退作ということですので、
本作のイーストウッドは、これまで彼が主演した諸作品の映画的記憶を体現しています。
と、いうことは、声においても、過去の作品を想起させるのが適切でしょう。
単に、老け声だけではダメなんです。
と、いうことを踏まえて、やはり、見渡せば野沢那智さんを登板させた方が、
作品の持つ意味合いを、吹き替えでより鮮明に打ち出せたのではないでしょうか。
硫黄島二部作のプロモで、来日したイーストウッドのNHK番組への出演の際、
ボイスオーバーで、アテられていた野沢那智さんは・・・
番組のディレクターの要望で、かなり老け声を出されていました。
これを考えると、「グラン・トリノ」でも那智さんイーストウッドが適切と存じます。
「ダイ・ハード4.0」のようにDVD吹き替えが2バージョンあれば、
理想的だったのですが・・・。